交通事故後遺障害損害賠償

交通事故の被害者からの相談。
車を運転して信号待ち中に後ろからよそ見の車に追突され、頸部及び腰部の捻挫の傷害を受けた。
被害者は美容師の仕事をしており、怪我の影響で手にしびれが出てしまうため、仕事に大きな支障が出る状態であった。
事故直後に相談に来たため、6ヶ月間通院しても痛みが残る場合には、後遺障害の等級認定が下りる可能性があり、等級認定が下りるかどうかで受け取れる賠償額が200万円程度変わることを説明し、等級認定が少しでも下りやすくなる方法として、整骨院とは併用せずに月に6回以上の頻度で通院し続ける方法をアドバイスした。
整骨院と併用しない方が良い理由として、後遺障害の原因が、交通事故のせいか、整骨院の施術のせいかが分からなくなると言われていることも説明した。
通院慰謝料を満額受け取るためには、整骨院を併用してでも月6回の頻度で通院する必要があり、整形外科にのみ月5回以下しか通わないと、賠償額が減ってしまうことも説明した。
被害者は、アドバイス通りに整骨院に月6~10回の頻度で6ヶ月間通い続けた。
それでも頸部に捻挫が残ったため、これ以上の治療は意味が無いとして通院を中断し(症状固定)、自賠責保険会社に対して、後遺障害等級認定を求める請求を行うことにした(被害者請求)。
弁護士から被害者に対して、整形外科から後遺障害診断書を取ってもらうために、診断書の書式と、等級認定が下りやすい記載内容を説明する記載例の2枚の書類を交付した。
その結果、被害者は、記載例通りの後遺障害診断書も取得してくれた。
このほか、事故発生状況説明書や休業損害や通院費の資料を作成して、自賠責保険会社に申立を行った。
自賠責保険会社から、レントゲン写真の追加提出を求められて、被害者に取り寄せてもらった。
すべての書類がそろった結果、申立から約2ヶ月後に14等級の認定が下りて、傷害分120万円と後遺障害慰謝料分75万円の合計195万円から、既払治療費100万円を差し引いた95万円が自賠責保険会社から被害者に振り込まれた。
その後、任意保険会社との間で、全体の損害額から既払分を差し引いた200万円を請求し、180万円で示談となった。
通院慰謝料や後遺障害慰謝料については自賠責基準額と裁判所基準額に大きな差があることや、後遺障害の逸失利益の金額が大きいことが任意保険会社の負担額が大きくなる原因である。
任意保険会社から免責証書が送られてきて、被害者本人がこれに署名押印をして、解決となった。
被害者は弁護士特約保険に加入していたため、この交通事故に関する弁護士報酬については、すべて保険金で賄われた。