横領行為示談

ブランドショップで、お店を任された店長が、仕入れた商品を中古ショップやフリーマーケットサイトで転売するという横領事件が発生した。
在庫と売上げが合わないことから事態が発覚し、店長は事実を認めたが、自分がどのくらいの商品を横流ししたのか覚えていないとのことだった。

この段階で当事務所に相談があったため、オーナーを通じて、在庫と売上げが合わない商品数の全数について店長に転売の有無を確認させることを徹底するとともに、店長から提出された中古ショップの販売記録とフリーマーケットサイトの取引履歴を整合して、できる限り正確に横流し商品数を特定した。

その結果、元店長となった加害者は、オーナー側が特定した商品数を全て横流ししたものであると認め、父親にも連帯保証人となってもらって、2年間の分割弁済を約束し、オーナーと加害者と父親の3者間での分割弁済合意書を取り交わした。約定通り支払えば、加害者の刑事告訴を行わないことも取り決められた。
さらに、途中で支払いが途絶えた場合に直ちに差押えができるように、公正証書も取り交わすこととなった。

弁護士として、公証センターとの間で、日程調整と公正証書の文案の作成を行った。
1ヶ月ほどかけて公正証書の文案を完成させ、オーナーと加害者と父親の3名で公証センターに行って、公正証書を完成させた。
その後、加害者からの支払いが滞った後、連帯保証人である父親が残額を一括で立替え払いして、事件は解決した。